石油給湯器(灯油ボイラー)の種類

給湯器は、その名の通り「お湯を供給する機器」になりますが、お湯を作り出すためのエネルギー別に

  • 石油給湯器(灯油ボイラー)
  • ガス給湯器
  • 電気給湯器(電気温水器)

などの種類があります。

今回はその中でも「石油給湯器」についてご紹介するとともに、その種類についてもご紹介します。

目次

石油給湯器(灯油ボイラー)とは

石油給湯器とは、文字通り「石油(灯油)を使ってお湯を作って供給する」機器で、「灯油ボイラー」とも呼ばれます。

灯油を燃焼させ、その熱で水を加熱することによってお湯を作るという仕組みになっています。

給湯器本体とは別に灯油を貯蔵しておくタンクが必要になるため、ガス給湯器よりも設置にはスペースが必要となります。

水を温める際は灯油を燃焼させることでお湯を作りますが、電気回路で動作を制御しているため停電の際は使用することができません。

電気やガスを使った給湯器に比べランニングコストが安いという特徴がありますが、灯油の価格変動や、灯油に対する補助金の有無次第でコストが高くなる可能性もあります。

また、タンクに灯油を補充する手間や労力が発生するというデメリットもあります。

石油給湯器は「長期使用製品安全点検制度」によって10年での法定点検が義務付けられていますので、安全に使用するためには法定点検を受けるようにしましょう。

石油給湯器の給湯方式

水道直圧式

水道の圧力をそのまま利用して給湯するタイプです。

貯湯式と違い水圧が高いという特徴があるため、水圧のあるシャワーを浴びたい場合は水道直圧式がオススメです。

貯湯式だと溜めておいたお湯がなくなるとお湯が出なくなりますが、水道直圧式はお湯切れの心配なくお湯を使用することができます。

貯湯式

水道の水をそのまま加熱してお湯を作るのではなく、タンク内の水を加熱して溜めておくタイプです。

水道直圧式と違い一旦減圧するため、水道直圧式に比べて水圧が低いという特徴がありますが、標準型に比べて水圧の高い「高圧力型」のタイプもあります。

水道直圧式のタイプに比べ、給湯器本体の価格は安い傾向にありますが、水道直圧式に比べて燃料コストが高くなる傾向にあります。

石油給湯器の種類

給湯専用

文字通り、蛇口やシャワーから給湯するのみの機能を有したタイプの給湯器です。

給湯専用となるため自動湯はりの機能はなく、蛇口やシャワーなどから浴槽にお湯を貯めるタイプです。

メーカーやモデルによっては一定量お給湯でお知らせしてくれる機能や、一定量の給湯でお湯の供給を停止(オートストップ)してくれる機能を持つモデルもあります。

ふろ給湯器

給湯専用の給湯器の機能に自動湯はりや追い焚きの機能を追加したタイプの給湯器です。

お湯の量が減ったら自動でたし湯をする「フルオートモデル」もあります。

床暖房が必要のない一戸建てや賃貸にお住まいの場合は、ふろ給湯器のタイプが選ばれることが多いです。

給湯暖房用熱源機

ふろ給湯器の機能に浴室乾燥や床暖房を使用できる機能を持つタイプの給湯器です。

1温度と2温度のモデルが存在し、1温度は浴室乾燥のみ、2温度は浴室乾燥と床暖房両方を使えるモデルになります。

似た名前のものに、給湯機能のない暖房のみを専用とした「暖房専用熱源機」というものも存在します。

その他、石油を利用した給湯器

エコフィール

従来型ではそのまま捨てていた排熱を再利用してお湯を作るエコタイプの石油給湯器です。

排熱を利用して熱効率を83%から95%まで高めており、従来型の石油給湯器に比べて少量の燃料でお湯を作ることができます。

従来型に比べて少量の燃料でお湯を作ることができるからこそ燃料コストを削減でき、二酸化炭素排出量も減らすことができます。

燃料コストを抑えられる分、従来型に比べて本体価格は高いですが、お湯の使用量によっては金銭的にお得になる場合がありますので、お湯の使用量を考えた上で従来型とエコフィールの比較をするといいでしょう。

使用用途を考えて給湯器を選ぼう

今回は給湯器の中で「石油(灯油)」を利用した給湯器をご紹介しました。

石油給湯器にも様々な機能を有したモデルが存在していますので、使用したい機能を持つモデルを選ぶようにしましょう。

ただ石油給湯器は経年劣化での重大事故へ繋がる可能性が高く、法定点検も義務付けられていますので、石油給湯器を使用する場合は重大事故のリスクを減らすため、10年使用での法定点検を必ず受けるようにしましょう。

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